文系卒のWebエンジニアの成長と備忘録
エンジニア経験を生かして発信するメディアサイト

専門学校のIT学科(情報処理科)は何をする?

book-study

この記事では、ちょっとニッチですが、これから専門学校のIT学部、学科(情報処理科)に入ろうとする人、入ろうか迷っている人向けに、専門学校に通っていた自分が体験を踏まえて記事を書きます。

  1. 専門学校のIT学部は何をする?
  2. 専門学校のカリキュラムは?
  3. 1年制、2年制、4年制どれがいい?
  4. 就職できる?

1.専門学校のIT(情報処理科)は何をする

question

次の項目でもっと詳しく書きますが、専門学校のIT学部入学後の大まかな流れ(2年制)は以下のような感じ

1. 基本情報技術の勉強
2. 簡単なプログラミング
3. 就活
4. 卒業研究
5. 卒業

専門学校のIT学部では、当たり前ですが、ITの勉強をします。
大体の学校では、1年時の夏までの間では、国家資格の「基本情報技術者試験」の勉強が主になり、プログラミング等の勉強はあまり行いません。

その理由は、学校側としては、「基本情報技術」の資格を何としても取ってほしいのが理由です。

専門学校は、あくまで普通の学校ですが、就職の実践校として存在するので、資格の習得率、企業への就職率を学校の実績として売り出したいからです。
学校側の実績のちょっとブラックな話をすると、ITの学部の卒業後、スーパーの店員に就職したり、実家の職を継ぐ人がいます。
実は上記の就職に関しても、専門学校側からしたら、学校を卒業して「就職」したという扱いになり、学校側の実績として売り出せます。
よくCM等で就職率98%!!!などの謳い文句があるのは、これが理由です。
専門学校の教師もビジネスなので、生徒をどれだけ就職させたかで評価が違います。そのため、ブラック企業にコネがある教師は平気で、自分の生徒を入社させるように斡旋したりといった部分もあります。

話が脱線しましたが、専門学校の大まかな流れは、ちょっとぶ厚めの教科書を夏頃まで時間をかけて行い、並行して他の資格の勉強を行います。
学校にもよりますが、PCを使用して、プログラムを書いている時間は週に4時間程度。
1年時のほとんどはただの座学で終了します。プログラムの勉強に入るのでは、主に1年時の冬ごろからです。
こんなんでプログラミングできるようになるのか。
実際の勉強の流れはどうなのか。2の項目で書きます。

2.専門学校のカリキュラムは?

専門学校 カリキュラム

専門学校のカリキュラムは学校によって異なりますが、大体の学校はこんな感じ

  • 1年時
    • 基本情報技術者試験の勉強
    • 他の情報系試験の資格の勉強
    • アルゴリズム
    • プログラミング(C言語かJavaが多い)
  • 2年時
    • コース決め(Web系、モバイル系、インフラ系)
    • HTML、CSS
    • Linux系のOS操作
    • 就職活動
    • 卒業研究

【専門学校 1年時】

1の項目「専門学校のIT学部は何をする」でも軽く話しましたが、1年生時は基本的には資格の勉強が主になります。
専門学校は、就職活動に向けて生徒が、履歴書に一つでも多くの資格を書けるように、学校側は何個かの資格を取得をするようにカリキュラムを組んでいます。

すでに、商業系の学校を出ていて取得している人もちらほらいますが、同じカリキュラムで進みます。
情報技術者の試験が入学してからすぐの夏に控えているため、学校側としては、合格者を一人でも多く出しておきたいというのと、ITの当たり前的な知識を知っておいて欲しいという考えから、どんどん知識のみを頭に詰め込みます。上記が1年の主な作業です。

その何個かの資格のうちの一つ「基本情報技術者試験」の試験項目にある、アルゴリズムの勉強もプログラミングの講義と並行して行われます。
学校のカリキュラムに応じてバラバラですが、大体の学校で最初に触るプログラミング言語は「C」or「Java」
理由は他の記事で書きたいと思いますが、大まかな理由としては、上記の言語を使用している企業が多いから。
特にJava言語は、オブジェクト指向言語と呼ばれ、企業の入社研修でも幅広く使用されています。
アルゴリズムにおいては、何かをシステムを構築するといった難しいものではなく、問題集をひたすら解き続けるといった勉強になるのが一般的です。
上記の勉強を1年生の秋から冬ごろまで行います。

追記

この記事を書いた後に、専門学校の情報学科、学部が推進している資格「基本情報技術者試験」の試験項目にあるプログラミング言語に変更がありました。

そのため、専門学校のカリキュラムが代わり、今人気のプログラミング言語の「Python」が専門学校でも段々と取り入れられてくると思います。

1年生の勉強はほぼ上記で終わります。(普通の大学生と同じく夏休みも冬休みもあるので実質勉強している期間は4-7月 9-12月が資格勉強と思っていただけるのがリアルです)

これが終わると、学校側のカリキュラムである「資格取得」といった項目はなくなり、実際に手を動かしてプログラミングする作業がメインになっていきます。

【専門学校 2年時】

2年生は就職活動が間近に控えているため、実際に手を動かすプログラミングの講義がメインで入っていきます。
サブとして、就職のサポート授業(プレゼンやセミナー等)がありますが、メインはプログラミング。
ここからコース選択が入るところが多いと思います。

大まかなコース

  • システム系
  • Web系
  • モバイル系
  • インフラ系

システム系

言語は「C」or「Java」を使用し、実際にシステム開発の流れを汲み取りながら、勉強していきます。クラス図を書いたり、UML図を書いたり、それを元にコードを書いたりします。

Web系

言語は「PHP」が多いです。MySQLと一緒に並行して行われ、多くはチャット機能だったり、掲示板機能を作成して、一連のWebサービス作成の流れを学びます。

モバイル系

Android,iOSのモバイルアプルの作成を学びます。
基本言語の「Java」はこちらでも学べますが、それと同時にiOSアプリを作成するための「Swift」または「Objective-C」を学びます。
iOSに関しては、学校にMacがある場合に限りますが、現在の学校の多くは導入されていると聞きます。(有名な日本工学院では、Mac専用教室があるとホームページに記載されています。)
僕が選択したコースもこのコースでした。
簡単なアプリを作成して、自分の携帯に入れて遊んでいました。

インフラ系

ネットワークの知識、サーバー構築を学びます。
多くはLinuxを使用して、簡易的なネットワーク構築を行います。

上記のコースを1年次の後半に決定し、2年次から履修します。
自分のやりたいことを明確化し、それに応じて、コースを選んでください。

その他の授業

【HTML、CSSについて】

HTML、CSSは簡単なwebサイト(静的)を作成し、各自で参照できるようにしましょうとったものが大半になります。
自分独自で作成したいWebサイトを授業の時間で作りきります。
自分のブログを作成したことがあるとか、趣味でやっていた人からするとものすごく退屈な授業かもしれません。

静的なサイト作りなので、PHPやRubyといったサーバーサイト言語を使用したものは主に作成しません。
どちらかというとデザインちっくな授業に近いと思います。

【Linux系のOS操作について】

自分のPCにLinuxというOSをインストールして、いろいろ触ってみましょうといった時間です。
実はLinux自体は奥が深く、実際に触って何かをするといったことをするには授業の時間では足りなさすぎます。
授業中のカリキュラム的には、コマンド操作のみで終わりました。

【就職活動】

学生の中の一番大きなイベントが、就職活動です。
専門学校は、学校側と提携している企業が大量にあるので企業側からくることが多いです。
ただ、自分の就きたい会社がない場合などは、就職サイトを通じて自分で探す必要があります。
この専門学校の就職活動については「4.就職できる?」の項目で詳しく書きます。

【卒業研究】

専門学校だけでなく、大学等でもある卒業間近に自分たちのオリジナルの製作物を作成し、発表する機会となります。
自分だけでもいいし、自分でチームを作り、作るものを決めます。
製作期間は学校のカリキュラムによってまちまちですが、およそ3-4ヶ月近くあります。
僕が在学していた頃は、Webアプリケーションが多く7-8割ほど、後の2割はゲームを作ったり、モバイルアプリを製作していました。

上記が専門学校(2年制)で学ぶ全てになります。
学校によって変わる部分があると思いますが、大まかな部分は同じなので参考にしてください。

3. 1年制、2年制、4年制どれがいい?

人生 選択

専門学校に入る前、何年制がいいのか迷う部分があるかもしれません。その方向けに書きます。

  • 結局どの年制がいい?
  • 2年制の方が不利?4年制の方が有利?

結局どの年制がいい?

結論から言えば、どの年制がいいのかは人によって変わります。
そもそも、どれでもいいと思います。(お金的な面を除いて)

これから専門学校に入ろうとする人の中には、何年制がいいのか気になる人が多いと思います。
一番多いのは、2年制だと思いますが、もっと短期的に1年で習得したいと思う人もいれば、長期的に高度な技術を学びたいといった4年制を志望する人もいるでしょう。

高度な技術を学びたいから4年制がいい。
早く社会に出たいから1年制がいい。
皆と同じで通常の2年制がいい。

これに関しては、選ぶあなたがどの年次制が自分の中の希望とあっているかどうかで決まります。

別の理由としては、専門卒以上でなければ、企業自体がそもそも募集していなかったりするため
「専門卒といった学歴のみ欲しい」「4年制卒であれば大学卒扱いにしてくれるから4年制がいい」といった理由があります。

2年制の方が不利?4年制の方が有利?

結論は、有利、不利などない!!です。
あるとしたら、初任給の差のみ。

4年制であれば、もっと高度な技術を学んでいるから、いい企業に就職できるといったこともありません。全部自分次第です。
2年制でも、大企業に就職したり、大手のベンチャー企業に就職した人もいます。

4年制をダラダラ通いながら就職するか、2年制を卒業し、2年間バリバリ働いている人では後者の方が圧倒的に、成長度合いが違います。
学校で学ぶ2年と、社会に出てエンジニアとして学ぶ2年は同じ2年でも異なる2年です。
そのため、有利、不利などありません。

有利というか4年制の利点のみあるとすれば、初任給の違いと、学歴の扱いです。
会社に入った時の初任給は2年制と比べ、数千円〜数万円違います。
また、4年制では大学卒同等の扱いを受けるため、企業によっては、募集資格を獲得できる場合があります。

ただ、上記のためだけに2年間の200万近くの学費を払うのは個人的におすすめはしません。
なぜなら、一回転職してしまえば、初任給は全く関係がないからです。
会社の応募資格も、一部の企業が大学卒扱いのみにしていますが、ほとんどの技術職応募に関しては、現在学歴不問の技量次第になっています。
そのため、有利、不利はありません。
自分の考えにあったところを選んでみてください

4.就職できる?

question man2

結論は、普通に就職活動をしていれば就職できます。
専門学校は就職斡旋なので教師が企業とのパイプがあるので、ほとんどの生徒は企業へ就職できます。
学校側にも求人が沢山来るので、そこは大いに利用しましょう。

専門学校のCMや、ホームページで就職率90%以上というのは嘘ではありません。
ただ、前述した通り専門学校ではどんな企業への就職も就職数のカウントとして取られるため、ITの学部を出たから絶対にIT企業への就職ができるといったことではありません。
そこは、自分と企業の縁次第といった部分がありますが、きっと自分にあった企業が見つかるはずです。

 


上記が専門学校のIT学部(情報処理科)の実情全てを体験談から語った全てになります。

以下は僕の持論ですが、専門学校に行けば、なんとなくプログラマー、エンジニアになれそう!と思うことは間違いではありませんが、正解でもありません。
塾に行くだけで頭が良くならないと同じように、専門学校に行くだけでエンジニアになれるといったことは決してないということを忘れないでください。
実は専門学校で学ぶ技術的なことは、オンライン学習サービスの【Progate】【ドットインストール】で集中的に勉強すれば、1ヶ月〜3ヶ月で専門学校のカリキュラム以上の知識が学べます。
ただ、専門学校に行く理由は、資格や専門卒以上の学歴だけでも取っておきたいといった理由など色々あると思います。
そこは、自分の気持ちを汲み取ってどちらにするか、したい方で構わないと思います。
自分の気持ちと相談して、したい方を取りましょう!
そして、一緒に良きエンジニアになっていきましょう!

この記事が、これから情報処理系の専門学校に入ろうとする人、入ろうか迷っている人の参考になれば嬉しいです。

\記事のシェアをお願いします!/